デザイン制作の依頼・発注において
「デザイナーをどうやって選んだらいいかわからない」
「完成したデザインが何かイメージしたのと違う…」
といった悩みを抱えていませんか?
自分が納得できるデザインを作成してもらうためには、ただデザイナーに依頼すればいい、というものではありません。
押さえるべきポイントをしっかり押さえておかないと、せっかくお金を払って発注したのに思ったようなデザインにならず、残念な結果に陥る可能性が高いです。
ここでは、デザイナー視点での「デザイン発注のコツ」について解説していきます。
デザイン依頼・発注のコツ
では具体的にデザイン発注のコツについてお話ししていきます。
ポイントとしては、
①デザイナーの選び方
②デザイン発注のポイント
の2点に分けて解説します。
①デザイナーの選び方
デザイン制作の発注をするためには、まずデザイナーを選ばなくてはなりません。
「過去に依頼したことがある」「旧知の仲である」というような場合を除いて、発注相手がどんなデザイナーなのかわかりません。
多くの場合はそのデザイナーのホームページを見たり、過去の作品を見たりして「このデザイナーはスキルが高そうだな」とか「評判よさそうだな」といったイメージで選ぶかと思います。
あるいは単純に「値段が安いから」という理由で選ぶかもしれませんね。
要するに、「当てずっぽう」な訳です。
もちろんそれでも良いデザイナーを選べれば、満足のいくデザインを作ってもらえるでしょう。
ただどうしても博打要素が強い。
「運頼み」なんですね。
なのでなんとかして、もう少し精度を上げたいと。
そこで、次のポイントを試してみてください。
もちろん「これで100%大丈夫」とは言えませんが、それでもただなんとなくで選ぶより遥かに精度が上がるはずです。
「何でも出来ます」はNG
デザイン発注に限りませんが、「何でも出来ます」というアピールは鵜呑みにしない方がいいです。
確かにプロのデザイナーであれば、どんなデザインであれ一通りはこなせるでしょう。
しかしながら「何でもできる」というのは、「何もできない」ことの裏返しでもあります。
プロのデザイナーといえど、得意分野と不得意分野は必ず存在します。
(もしどんな分野も大得意という人がいれば、それは天才なのかもしれませんが)
そして当然、自分の得意分野で仕事をしたいと思うのが普通です。
得意分野と不得意分野では、モチベーションやスピード、クオリティに差が出るからです。
なのでなるべく、「私は○○なデザインが得意です」と公言しているデザイナーを選ぶようにすると良いでしょう。
「要件を詳しく聞いてこない」はNG
デザイン発注をする際に、「こんなデザインのものが欲しいです」とデザイナーに要件を必ず伝えます。
その時、与えられた情報以上のことを聞いてこないデザイナーは要注意です。
あなたが最初からよほど詳細な要件を提示していない限り、デザイナー側で確認したいことが必ずあります。
デザイナーの仕事はただ言われた通りにデザイン制作をすればいいわけではありません。
発注者の要望を正確に捉え、デザインの目的を明確にするところがとても重要です。
なのでデザイナーはデザインスキルだけでなく、「汲み取る力」も求められるんですね。
「要件を詳しく聞かない」ということは、この汲み取る力がよほど高いか、それともあなたの要望を正確に捉える気が無いかのどちらかということになります。
「ポートフォリオ(作品集)を公開していない」はNG
これはデザイナーであれば基本ですが、自分のポートフォリオ(作品集)を公開していないデザイナーは避けた方がいいでしょう。
仕事を受ける気のあるデザイナーであれば、自分がどれくらいのスキルがあり、過去にどんな作品を作ってきたかを必ず公開しているはずです。
いわばポートフォリオはデザイナーにとっての「名刺代わり」であり、自己紹介のツールです。
これを公開していないのは、よほど実力があって引く手数多なデザイナーくらいではないでしょうか。
ポートフォリオを見てみると、そのデザイナーのデザインが自分の好みに合う・合わないがなんとなくわかったりするものです。
この「好みに合う・合わない」というのは結構重要です。
発注者とデザイナーの「相性」みたいなもので、相性が悪いとお互いのイメージを一致させにくかったり、仕上がったデザインそのものを好きになれなかったりして、結果的に満足度が下がる可能性があります。
なので依頼する前に、かならずポートフォリオを見てどんな作品があるか確認するようにしましょう。
ホームページのデザインがダサい
デザイナーが公開しているホームページを覗いてみましょう。
デザイナーたる者、自分のホームページのデザインくらい見栄えの良いものにするでしょう。
だってホームページは自分を売り込むための「顔」でもあるわけですから。
(おめぇのホームページデザインがダセェよ、とブーメランが飛んでこないことを祈ります)
そんなホームページを手抜きで作っているデザイナーは、やはり避けた方が無難です。
デザインがやけに古臭かったり、無駄に広告リンクがペタペタと貼ってあるようなページは正直「大丈夫かな?」と思ってしまいます。
もちろんそれが全てではありません。
ホームページが微妙でも実力のあるデザイナーはいるでしょうし、反対にホームページの見栄えだけよくて実力はイマイチ…な場合もあるでしょう。
ですが、やはり「ちゃんとしたデザイナー」を選ぶのであれば、しっかりしたホームページを構えているデザイナーの方が当たる確率は高くなります。
②デザイン発注のポイント
デザイナーが決まり、実際に要件を依頼する段階でもいくつかポイントがあります。
ここをすっ飛ばしてしまうと、せっかく実力のあるデザイナーに依頼したとしても思うようなデザインに仕上がらなかったり、何度も修正して完成までに時間がかかってしまう可能性があります。
要件はなるべく具体的に伝える
要件をデザイナーに提示する際、可能な限り具体的に表現しましょう。
先述した通り、ちゃんとしたデザイナーであれば向こうから詳しく要件を聞いてくるはずですが、先に詳細まで伝えておくことで確認の手間と時間を減らすことが可能です。
「具体的に表現する」という言葉がもう具体的ではないので(笑)、いくつか例示します。
・「誰」に向けたデザインなのかを説明する
デザイン制作する以上、そのデザインを誰かに見て欲しいわけですね。
その「誰か」について、具体的に提示しましょう。
いわゆる「ターゲット」とか「客層」と言われるものです。
それが10代〜20代の若い女性なのか、30代の独身男性なのか、60代以上の富裕層なのかでデザインの見た目はまったく異なるものになります。
さらに細かく言えば「住んでいる場所、子供の有無、趣味、職業、年収」などいったパーソナルな情報から、「婚活、引越し、入学・卒業、就職、転職」のような状況の情報もそこには含まれます。
デザイナーはこういった情報も踏まえてデザイン制作を行いますので、必ず事前に事細かに伝えておくことをおすすめします。
・曖昧な表現は避ける
「カッコよくて、オシャレなデザインにしてください!」
みたいな感じで依頼するのはちょっと控えた方がいいです。
そう言いたい気持ちはわかりますが…。
「カッコいい」とか「オシャレな」といったような言葉は、非常に主観的です。
その人の価値観によっても異なるので、おそらくあなたが思う「カッコいい」と、他人が思う「カッコいい」には大きな違いがあるんです。
当然、発注者とデザイナーも然り。
なので、デザイナーが素直に自分が思うカッコいいデザインを作った場合、同じ「カッコいい」でも発注者が思うものとは全然違うデザインになってしまいます。
なので、もっと別の表現に置き換えてやる必要があります。
例えば
「カッコいい」⇨「スタイリッシュで躍動感がある」
「オシャレ」⇨「モノトーンでモダンに」
「ゆるい」⇨「ひらがな多めで文字小さめ」
みたいな感じ。
これだけでも、だいぶ相手にイメージが伝わりやすくなります。
このようにして、なるべく曖昧な表現は具体的な言葉に置き換えることで相手とのイメージの齟齬を少なくすることができます。
・完成イメージ(に近いもの)を提示する
上記の曖昧な表現を避けるだけでは、限界があります。
なので、「こんなイメージのデザインが欲しい」というサンプルをデザイナーに見せましょう。
サンプルはネットで見つけたデザインのスクショでもいいし、電車の吊り広告の写真でも何でも構いません。
全体の雰囲気や色味、ニュアンス等の言葉では表現しずらい視覚情報が一目でわかるため、発注者とデザイナーのイメージをかなり近づけることができます。
(これが言葉のキャッチボールだけだと、かなり時間がかかります)
デザイナー側も、これがあると無いとで制作のしやすさがかなり違います。
要件の追加や変更は早めに
当然ながら、要件の追加や変更があった場合はできるだけ速やかにデザイナーに伝えましょう。
発注者からすれば「3文字追加するだけ」ということが、実はデザイン制作では大きなレイアウト変更になってしまう場合だってあるからです。
デザイン制作の世界では、1文字増えたり減ったりするだけで、全体のバランスが変わってしまうことがあるんですね。
もちろんデザイナーは対応してくれると思いますが、追加変更の情報が早いにこしたことはありません。
納期ギリギリになって大幅な変更が生じた、なんてことになるとお互いにとってデメリットしかありませんから。
こんなことを書くと「追加変更はやめた方がいいかな…」と思われる方もいるかもしれませんが、そんなことはないですよ。(笑
ビジネスの世界ならそんなことはあって当たり前だし、遠慮する必要はありません。
ただ、言うのをためらっているうちに納期が近づいてきてしまった、ということにはならないように注意しましょう。
まとめ
以上、デザイン依頼・発注のコツについての解説でした。
①デザイナーの選び方
②デザイン発注時のポイント
の2点について解説しましたが、いかがだったでしょうか?
この2点について気をつけるだけでも、仕上がってくるデザインの質がかなり良くなってくるはずです。
結果的に発注者・デザイナー共に満足のいくデザイン制作になりますので、ぜひ発注の際は意識してみてください。
最後までお読みいただき、ありがとうございました!